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少なくとも2人の死刑執行を命じ…金正恩、パンデミックによる経済悪化に激怒

 韓国の情報機関によると、北朝鮮の指導者、金正恩委員長は、コロナウイルスのパンデミックとその経済的影響に腹を立てているという。



AP通信によると、金委員長は少なくとも2人の死刑執行を命じ、平壌を封鎖し、COVID-19の蔓延を遅らせるための他の措置も実施した。


処刑された2人のうちの1人は、平壌の有名な両替商で、為替レートの下落を非難されたと伝えられている。


北朝鮮の経済は、1月に最大の貿易相手国である中国との国境を封鎖することを余儀なくされたため、ここ数カ月間、苦境に立たされている。



韓国の情報機関によると、北朝鮮の指導者である金正恩朝鮮労働党委員長が、コロナウイルスのパンデミックとその経済的被害に対して「強い怒り」を示しているという。


また、AP通信によると、金委員長は少なくとも2人の処刑を命じ、漁業を禁止し、首都平壌を封鎖するなど、COVID-19の蔓延を遅らせるための「非合理的な措置」を命じているという。


これらの最新情報は、韓国の国会議員が11月27日、同国の最高情報機関である国家情報院(NIS)との非公開会議を行った後、記者団に語ったものだ。



NISは、処刑された2人のうちの1人は平壌の有名な両替商で、北朝鮮の為替レートの下落を非難されたと報じられていると述べたという。


APによると、もう1人は政府の高官で、パンデミック中の国外からの物資輸入の制限に違反して捕まったとされている。


北朝鮮は1月から最大の貿易相手国である中国との国境封鎖を余儀なくされており、同国の経済はコロナウイルスのパンデミックの大きな影響を受けている。


​サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、韓国貿易協会は北朝鮮の対中貿易は9月までに73%減少し、通年では80%減少する見通しだと述べている。



金委員長は、海水へのウイルス流出を防ぐため、漁業の操業禁止措置を取ったとNISは伝えているという。さらに、首都の平壌や北部の慈江道など、いくつかの地域では完全な封鎖が行われていて、観光業も停止している。


​​これらの写真は、北朝鮮の封鎖下での生活の様子を示している。


​北朝鮮はこれまで症例も死者もゼロであると報告しているが、それが事実である可能性は低い。コロナウイルスのワクチンが世界中で開発されている中、金正恩政権はワクチンを開発している韓国の製薬会社の少なくとも1社をハッキングしようとして、その試みは失敗に終わったと報じられている。


​AP通信によると、金委員長はまた、当選を確実にしたバイデン候補による北朝鮮に対する新たなアプローチを懸念し、アメリカを刺激するいかなる行動も取らないように外交官に指示したという。



​NPRによると、韓国のキム・ビュンキー議員は記者団に対し、「言葉には細心の注意を払うよう命令されていると聞いている」と述べた。


​バイデン新政権は、北朝鮮の指導者がドナルド・トランプ大統領と懇意にしていることで、北朝鮮への対応を変えるかもしれない。


トランプ大統領は何度か金委員長に会っており、ベテラン記者のボブ・ウッドワードに対して「仲がいい」と話したという。


​「彼は私のことが好きで、私も彼が好きだ。我々は仲がいい。だからといって、私が甘いというわけではないし、すばらしいことがあると思っているわけでもない。彼はとても手ごわい。彼は頭がいい。とても頭がいい」とトランプ大統領はウッドワードに語っている。

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連続勤務252日目、高齢コロナ患者を抱きしめる医師が話題に

 米テキサス州の病院の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)専門の集中治療室(ICU)で、取り乱した高齢の患者を抱きしめて慰める医師の写真が世界中に拡散し、話題となっている。撮影時、この医師は連続勤務252日目だったという。



写っているのは、テキサス州ヒューストン(Houston)にあるユナイテッド・メモリアル医療センター(United Memorial Medical Center)の医局長、ジョセフ・バロン(Joseph Varon)医師。感謝祭の日に白髪の男性患者を抱きしめる姿を、写真販売代理店ゲッティイメージズ(Getty Images)のフォトグラファーが撮影した。


バロン医師は11月30日、米CNNに対し、新型コロナ専門ICUに入っていくと、高齢の男性患者が「ベッドから下りて、治療室から出ていこうとしていた」と語った。「彼は泣いていた」


バロン医師は患者に近づき泣いている理由を尋ねた。「彼は『妻と一緒にいたい』と言った。私はただ彼をつかみ、抱きしめた」と述べ、「本当に切なかった。彼と同じように、私もとても悲しかった」と続けた。「やがて彼は落ち着き、泣くのをやめた」



CNNの取材に応じた日、連続勤務256日目だと述べたバロン医師は「どうして自分が倒れていないのか分からない」と語った。「看護師たちは真っ昼間から泣いている」


新型コロナ専門病棟での隔離は多くの患者、特に高齢者にとってはきついとバロン医師は言い、「想像できるだろう。宇宙服を着た人間しか来ない部屋の中にいるんだ」と続けた。「一人きりでいるのだから、高齢者にはなおさら厳しい」


さらに、「泣いている患者もいるし、逃げ出そうとする患者もいる」と述べた。「実際、窓から逃げ出そうとした人もいた」


バロン医師によると、写真の高齢男性の状態は「だいぶ良くなっている」という。「週末までに退院できるだろうと期待している」



バロン医師はまた新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)を警戒しない人々にもメッセージを送り、「バーやレストラン、ショッピングモールに多くの人が出掛けている」と述べた。「クレージーだ。忠告を聞き入れなかった人々が、私のICUに来ることになる」


続けて「みんなを抱きしめなければいけない状態など求めていない。それを知ってほしい」と述べた。「みんなが基本的な予防措置を取る必要がある──対人距離を確保する、マスクを着ける、手を洗う、人がたくさんいる場所に行かないといったことだ」


「みんながそうしたことを守ってくれて、私たち医療従事者が休めるといいのだが」 

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謎のモノリス、今度はルーマニアで発見される…以前にユタ州で検出されましたutah

 アメリカ・ユタ州の砂漠で発見された後、突如姿を消したモノリス。これとそっくりの柱が、今度はルーマニアで見つかった。



複数のメディアによると、ルーマニアのモノリスは、11月26日に北東の都市ピアトラ・ネアムツにある丘で発見された。


ルーマニアのモノリスは、高さ13フィート(約3.9メートル)の黒っぽい金属製の三角柱で、表面にたくさんの円が描かれている。


建てられている場所は、ローマ人によって2世紀に破壊された古代要塞遺跡の近くだという。


ユタ州のモノリス同様、このモノリスが11月30日に突然姿を消したと一部で報じられているが、まだ正式に確認されていない。



ネアムツ文化・遺産局のロクサーナ・ジョサーヌ氏は、このモノリスについて調査を始めたとユーロウィークのインタビューで語った。


「ここは私有地ですが、このモノリスのオーナーが誰かはわかっていません。この場所は、考古学的な遺跡のある保護されたエリアです。ですから、こういったものを建てる前には、我々の許可と文化省からの承認が必要です」とジョサーヌ氏は説明する。


一体誰が?


ユタ州とルーマニアのモノリスは、スタンリー・キューブリック監督の映画『2001年宇宙の旅』に出てくるモノリスと、不気味なほどよく似ている。



そのため、もしかしたら宇宙人の仕業ではという説を唱える人もいるが、アート作品だと主張する声もある。


サイエンスフィクションを愛した現代アーティスト、故ジョン・マクラッケン氏のギャラリーのマネージャーたちは、モノリスとそっくりのマッケラン氏の作品をツイッターに投稿。ユタ州の柱は、マクラッケン氏が建てた可能性があるとしている。


ユタ州のモノリスは、上空からオオツノヒツジを数えていた生物学者らによって、11月18日に発見された。 



この柱の存在が報じられると、一部の人たちがネットで調査を開始。モノリスが2015年8月と2016年10月に既に存在していたことをGoogleアースで突き止めた。


当時、この近辺でSFドラマシリーズ『ウエストワールド』が撮影されていたため、同番組が関係しているのではないかと考える人たちもいる。


しかし、世界中の注目を集めたユタ州のモノリスは、11月27日に突然姿を消した。


同州の土地管理局は、「建造物が何者かによって撤去された」と発表したが、同局はモノリスを「不法な建造物」とみなしており、この件については捜査しないとしている。



その前に、アメリカ・ユタ州南東の砂漠で見つかり話題になっていた謎の柱、“モノリス”が、突然姿を消した。


モノリスと呼ばれたのは、高さ約12フィート(約3.6メートル)の金属製の柱で、ユタ州野生生物資源部が11月18日にオオツノヒツジを上空から数えている時に見つけた。


ユタ州土地管理局によると、モノリスが消えたのは11月27日だ。


「“モノリス”と呼ばれる違法建造物が、土地管理局の公有地から何者かに撤去されたという信用できる報告を受けました。この建造物は私有財産と考えられており、土地管理局は撤去していません」と同局は、公式声明で説明している。



モノリスは私有財産であり、土地管理局はこの建造物が姿を消した件について捜査しないと述べる。


モノリスがあった場所には、赤い岩と三角形の金属パネルのようなものが残された。


柱は、スタンリー・キューブリック監督の1968年の映画『2001年宇宙の旅』に出てくるモノリスに似ているとも言われていた。


土地管理局はこの柱の設置場所を発表しなかったが、この柱に興味を持った人たちがGoogleアースなどを使ってモノリスの場所を突き止めた、とCNETは報じる。


同メディアによると、モノリスは2015年8月と2016年10月にすでに設置されており、当時この近くで撮影されていた、SFドラマシリーズ『ウエストワールド』が関係しているのかもしれないと伝える。



ユタ州当局はモノリスのエイリアン設置説をすぐに否定したが、人の住んでいない砂漠に建造物を作るのは難しいだろうと考えを示した。


モノリスが話題になった後、場所を突き止めた人たちがこの柱を見ようと、現地に押しかけていた。 


ユタ州の遺産芸術局は、柱はいたずらというよりはむしろアート的な建造物だろうという見解を示す一方で、これは自然環境を破壊する行為であり、同局はいかなる破壊行為も許容しないいう声明を発表した。

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韓国、日本製ステンレス鋼巡るWTO紛争で敗訴…「事実上の日本の勝訴だ」

 WTOで韓国が日本に初めて負けたが、韓国ではその結果は受け入れられず朝鮮日報が記事タイトルに“一部敗訴”と書いた。さらには記事中では韓国の主張が認められた事項について先に書き、あたかも韓国の”一部勝訴”で終わったかのような論調に転換させていたのだ。朝鮮日報ももはや愛国日報と何も変わりなくなってきたと言える。



世界貿易機関(WTO)は30日、日本製ステンレス鋼に対する韓国の反ダンピング関税が不公正だとして日本が提訴していた問題で、韓国の一部敗訴となる判断を下した。韓国政府はWTOが一部の争点で下した判断に「法理的誤りがある」とし、上訴する意向を明らかにした。韓国政府が日本とのWTOでの貿易紛争で一部敗訴したのは今回が初めてだ。


韓国産業通商資源部によると、WTOの第一審にあたる紛争処理小委員会(パネル)は日本製ステンレス鋼に対する韓国の反ダンピング措置について、一部の分析方法がWTOの反ダンピング協定に違反するとの趣旨の報告書をまとめた。



WTOパネルは日本側の訴状に記載された提訴事項のうち、▲日本製ステンレス鋼と韓国製ステンレス鋼には根本的な製品差が存在する▲韓国の貿易委員会が日本製ステンレス鋼以外の要因による被害を日本製品に転嫁した--という主張では韓国側の主張を認める判断を下した。


しかし、▲産業通商資源部貿易委員会が日本製のダンピング製品と韓国国内の同種製品の価格差を考慮しなかったことが適切だったか▲日本の生産者の生産能力に関する貿易委による算出方法が適切だったか▲貿易委が日本の生産者による生産能力を無視し、世界ステンレス鋼フォーラムの統計資料を使用したことが適切だったか--については、日本側の主張を認めた。


韓国政府はWTOパネルの判断にもかかわらず、今後も日本製ステンレス鋼に対する反ダンピング措置を維持する上で問題はないとの立場だ。反ダンピング関税の維持に最も重要なのは競争関係の有無だが、両国の製品の細部の製品群は異なり、競争関係は成立しないとする日本側の主張が認められなかったからだ。



貿易委は11月13日、日本、インド、スペイン製のステンレス鋼に対する反ダンピング関税適用を3年間延長することを決定した。産業通商資源部関係者は「WTOの決定があっても関税適用に問題はない」と述べた。


しかし、完勝とは言いにくい。韓国政府の反ダンピング措置が正当化されるためには、輸入製品が不当な安値で販売されるなどして、産業が実質的被害を受ける恐れがあると判断されなければならない。WTOが日本製ステンレス鋼の「非累積評価」による価格が韓国製よりも高い点などを問題視したのはそのためだ。


日本側は韓国による「累積評価」を問題視していた。累積評価とは反ダンピング措置による被害を証明する際、ダンピング製品の輸出国別に自国産業に与えた被害を算出するのではなく、複数の輸出国を合計して被害規模を算定することを指す。韓国は国産、日本製、インド製のステンレス鋼は同じ商品だとし、被害規模を累積評価で合計して算出した。しかし、日本側の主張が受け入れられれば、日本製とインド製のステンレス鋼は別の製品なので、累積評価ではなく、被害規模を輸出国別に算定する「非累積評価」を行う必要がある。



韓国政府はWTOが韓国側に下した一部敗訴の判断を受け、上訴する方針だ。日本製ステンレス鋼の累積評価価格は韓国製よりも高く、産業に打撃となり得るが、WTOは累積評価に関する部分は紛争解決と直接関連がないとして判断を回避し、非累積評価で判断を下したからだ。


産業通商資源部関係者は「反ダンピング関税措置を維持できるが上訴するのは、累積評価の適法性について判断を回避しており、非累積評価による価格を問題にしたWTOの判断を放置すれば、悪しき前例になるとの判断からだ」と述べた。その上で、「現在上訴機関がまひしている状態なので、日本との協議を通じ、合理的な上訴手続きを踏む」と説明した。


韓国政府が日本とのWTOでの貿易紛争で一部でも敗訴したのは、これまで5件あった韓日間のWTO紛争で初めてだ。これを口実に日本が「韓国が不当な貿易制裁を行った」と政治的な攻勢をかける可能性も指摘されている。これに先立ち、日本は2002年に半導体相殺関税、05年にのりのクオータ紛争、昨年には福島県産水産物、空気圧バルブを巡る紛争で相次いで敗訴した。しかし、ステンレス鋼市場は小さく、これまでの紛争と比べると重みはないとする評価が有力だ。



韓国政府はステンレス鋼を生産する韓国メーカーの要請を受け、04年に日本製品に反ダンピング関税を適用後、4回にわたり再審査を行い、措置を延長してきた。日本は3回目の再審査結果がWTOの反ダンピング協定に違反するとして、18年に韓国を提訴した。ステンレス鋼は自動車部品などに主に使われ、韓国の国内市場規模は約50億ウォン(約4億7000万円)だ。

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中国、今度は三峡ダムの3倍の水力発電所作る…インドの水が干上がるのに

 中国が世界最大の水力発電所である三峡ダムより3倍大きい水力発電所建設に出ると香港紙の明報が29日に中国のエネルギー問題を専門的に扱う新聞である中国能源報の報道を引用して伝えた。



明報によると、26日に開かれた中国水力発電工程学会成立40周年記念大会で中国電力建設グループの晏志勇董事長は「党中央が第14次5カ年計画と2035年発電目標建議で明確に雅魯蔵布江力発電所開発を提出した」と話した。


「これは党中央文書に初めて記載されたものでとても明確に『実施』するとされている。水力発電所業界では歴史的な機会になるだろう」と明らかにした。雅魯蔵布江は中国・チベットに源を発しインドとバングラデシュを経てベンガル湾を通じて海につながる。



チベット人にとっては「ゆりかご」あるいは「母なる川」とされる雅魯蔵布江は、インドではブラマプトラ川と呼ばれ、全長2057キロメートルに流域面積は24万6000平方キロメートルに達する。水力エネルギー埋蔵量は中国で長江に次いで大きい。


中国の水力エネルギー資源埋蔵量は6億7600万キロワットと世界最大であり、このうちチベット内の埋蔵量は2億キロワットで約30%を占める。しかし開発水準はとても低く、現在は1%前後だけ開発された状態だ。



晏志勇董事長は雅魯蔵布江下流に水力発電所が作られれば毎年3000億キロワットのきれいで再生可能で無炭素である電力を供給し、三峡ダムの年間生産量988億キロワットの3倍を超えると話した。


発電所を建設する正確な場所と時期はまだ明らかにしていない。彼は雅魯蔵布江水力発電所建設が単純な巨大発電所を作るものではなく、5大プロジェクトに相当すると主張した。最初は生態プロジェクトで、水力発電所建設は中国が2060年まで炭素中立を実現しようとする目標達成に大きな役割をすると話した。



2番目は国家安全プロジェクトで、水資源の安全と国土の安全を同時に達成する効果があると明らかにした。3番目は民生プロジェクトで、発電所が稼動すればチベットに年間200億元の財政収入をもたらすと話した。


これはチベットの発展に天地開闢の効果をもたらすと主張した。4番目はエネルギープロジェクトで、年間3000億キロワットの電力を供給し、5番目は国際協力プロジェクトで、発電所建設が中国と南アジア国間の協力を緊密にさせると話した。



明報はしかしこうした中国の計画がインドの懸念を引き起こすだろうだと伝えた。川の上流に位置する中国が水量を調節することに対しインドは反撃措置を取れず両国間の対立が深まると予想した。


2014年11月に中国が雅魯蔵布江に最初の水力発電所を建設した時もインドの不満を買った。当時水力発電所工事で生態環境が大きく損なわれ、インドはアッサム地域の川の水位が低下することを心配したという。

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「米中戦争」勃発したら…米国は勝てない?経済に致命的打撃もus-china

 国際関係をかき回したトランプ氏に代わり大統領に就くバイデン氏への期待は高い。だが国内融和のため対中強硬姿勢は避けられず、対立が深刻化する懸念もある。



菅義偉首相は就任の9日後の9月25日、習近平中国国家主席と30分の電話会談を行い「首脳を含むハイレベルで2国間および地域、国際社会の諸問題について緊密に連携していこう」との方針で意見が一致した。一方、11月12日にはバイデン氏と15分間の電話会談で「日米同盟の強化、気候変動問題での緊密な連携」で合意した。


安倍晋三前首相はトランプ追従一本槍の親米派と見られがちだったが、06年最初に首相に就任して12日後に北京に飛び、胡錦濤主席と会談、「戦略的互恵関係」の構築で合意した。14年には習近平主席と尖閣問題で「双方が異なる見解を有していると認識する」として事実上棚上げにした。また中国の「一帯一路構想」への協力を表明し、今年には習主席を国賓として迎え、日中和解の完成を内外に示すはずだった。



菅首相も米中双方と「緊密な連携」を約束する二股外交を継承している。狡猾なようだが国際関係ではよくあることで、男女の仲とはちがうのだ。


トランプ氏は海外情勢に関する知識、経験が乏しく「アメリカ第一」を叫んで米国の国際的指導力を放棄した。元々米国が主導したTPP(環太平洋パートナーシップ協定)や地球温暖化に対処するパリ協定などから次々に離脱し、国際社会からの孤立を深めた。


さらには「NATO(北大西洋条約機構)は冷戦期の遺物」だとして在独米軍を大幅削減、日本と韓国には駐留米軍の経費負担を4倍、5倍にするよう迫るなど、まるで同盟破壊を狙うような暴挙を次々に行ってきた。



この4年、多くの国がトランプ氏の予測不能、非合理な言動に振り回されてきただけに、彼の敗退が喜ばれるのは当然だ。中国外務報道官もバイデン氏の勝利が確定した11月13日に祝意を表明した。菅首相が8日にツイッターで「心よりお祝い申し上げる」と発信しても、安倍氏がトランプ氏に尻尾を振ったような侮りを受けないですむ。


米国の右派が言うように、もし中国が米国をしのいで世界の覇権を握る野望を抱いているのなら、トランプ氏が当選し、さらに4年間米国の孤立化を推進し、同盟を崩壊させ、自国民の分断を激化することは中国にとり歓迎すべきことだろう。


だが実際にそうなれば、中国にとって最大の輸出先、投資・融資先である米国が衰亡し、世界経済は大混乱しその影響が自国にも波及することは避けられない。バイデン氏も反中的発言をしていても、安定感があるだけトランプ氏よりはまし、と見て祝意を表明したのか、とも思われる。



■戦争では勝てない米国


バイデン氏は30歳で上院議員となり政界歴は47年、外交委員長、オバマ大統領の副大統領を務めたから外国についての知識、経験は十分だ。正統的な外交ができ、自国内の分断を煽るような愚行はしないだろう。オバマ氏は中国との対立をなるべく避けていたから、バイデン氏もある程度その影響を受けているはずだ。


だが米国内では国民の反中感情が高まっている。背景には中国の経済力が近年中に米国を凌ぎそうなことへの焦りがあり、1980年代の「日本叩き」を思い起こさせる状況だ。バイデン氏が大統領として国民の団結を回復させようとするほど、中国に対して敵対的な政策を取らざるを得なくなるだろう。



最悪の道は米中戦争だ。そうなれば、日本の輸出の21%余(香港を加えれば約24%)を占める中国への輸出は停止し、日本の経済は致命的打撃を受ける。それだけでなく米軍に基地を提供している日本は当然中国の敵となるから、核弾頭付きではなくても弾道ミサイルの攻撃を受けることになる。


米海軍の戦力は圧倒的で、中国を海上封鎖することは可能としても、中国の食料自給率は100%、エネルギー自給率も石炭が豊富で約80%だから封鎖だけで中国が屈服するとは思えない。長期の地上戦になれば米国の勝算はベトナム戦争以上に乏しい。日本にとってはバイデン氏がドロ沼に入らないようにすることが第一の国益だろう。

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2021年正月、米国を最大の危機が襲う…1000万人を超えるとも言われる

 新型コロナウイルスの感染者と死亡者が世界一多い米国。医療分野だけでも多くの問題を抱えているが、コロナに関連した深刻な社会問題も浮上してきている。



その一つが、家賃を支払えない賃借人が数百万の単位で、年明け早々に住まいを追い出されかねない問題である。


投資銀行業務やコンサルティングを手がける米スタウト社がまとめた資料によると、最大で647万世帯が住まいを退去せざるを得なくなるという。


家族を考慮すると1000万人を超えるとも言われる。どういうことかご説明したい。



コロナの感染拡大により米経済が大きな打撃を受け、春から失業者が増え始めた。4月の米失業率は14.7%にまで跳ね上がった。


以後、少しずつ改善して10月には6.9%まで落ち着いてきたが、それでもコロナ前の3%台には至っていない。


失業率が高止まりすることで再就職は簡単ではなく、解雇された人たちは収入減に見舞われた。


失職したすべての人たちが失業手当を受けられるわけではない。



首都ワシントンにある経済政策研究所(EPI)の試算では、何らかの理由で失業手当を受けられない人が、夏の段階で最大1390万人にのぼったという。


仕事を失って給与が入らなくなり、貯蓄も不十分で失業手当も受けられないと、家賃の支払いが滞る。


手持ちの限られた資金はまず食費などに当てられるため、生活は困窮する。


米国ではこうした境遇から、コロナ禍で家賃を滞納する人たちが増えてきている。日本でも家賃の滞納者はいるが、米国では日本と比較すると冷酷なまでに強制的な退去が行われたりする。



それでも米政府は滞納者にまず、定められた期限内に自主的に引っ越すように促す。それでも立ち退かない場合、裁判所に強制撤去を求めて退去命令が出される。


日本では賃借人の権利が保護されているため、家賃の支払いが数カ月滞っても追い出されることはまずない。


だが日米で法の執行に対する意識の違いと、賃借人と賃貸人の立場が違うことから、米国では強制退去が執行されてしまう。


ドナルド・トランプ政権はコロナ禍という事情を考慮して、家賃滞納者に対する強制退去の執行停止を命じるなど、方策を講じてきた。


だがそれで賃借人を一時的には救済できたとても、今度は家賃が入ってこないことで家主側は減収となり、本質的な問題解決にはいたらないのだ。



それでも、家賃を支払えない人たちの救済がまず優先されるべきとの理由から、トランプ政権の保険福祉省(HHS)内の疾病予防管理センター(CDC)は9月4日、特例措置を出した。


それは今年12月末日まで、住まいからの強制退去が猶予・禁止される(立ち退きモラトリアム)というものだった。


ここで注目したいのは、同措置を発令したのがCDCという点だ。


CDCは感染症対策の総合研究所であり、医療機関である。国交省のような役所ではない。


つまり、強制退去によって住む所を失った市民たちが増えることで、コロナ感染リスクがこれまで以上に高まるということである。



強制退去させられた人たちは、現実的には親族や知人・友人のところに移るか、シェルターや福祉施設、最悪の場合はホームレスになることもあり得る。


医療関係者が憂慮するのは、強制退去させられた人たちが密集した場所で寝起きすることで、今以上にコロナウイルスの感染者・死亡者が増加することなので、CDCが分野違いとも言える措置を出したのだ。


幸い、年内は強制退去が執行されないので、支払いの滞った賃借人もいまの住居にいられるが、年明け早々、退去せざるを得なくなる人たちがでるのは間違いない。


11月末、米「ファスト・カンパニー」誌は「米600万世帯が1月1日に強制退去されるかもしれない」というタイトルの記事を出し、深刻な社会問題が待ち受けうけていると警鐘を鳴らした。



トランプ政権が1月1日以降にさらなるモラトリアムを出すことはありそうもない。いま米国では、バイデン新政権が別枠で温情を示せるかに焦点が移っている。


ただ新政権誕生は1月20日であり、年明けから20日間、バイデン政権は何もできない。その間に強制退去が施行されて、家を追われる人が出てしまう恐れがあるのだ。


強制退去を命じられた人たちを救うことはできるのか。同問題に詳しいウェイク・フォレスト大学法律大学院のエミリー・ベンファー教授はこう述べる。


「バイデン氏が退去を求められている人たちを救済することは十分に考えられます。年明けから3週間以内に滞納している賃貸者を追い出すかどうかは家主にかかっていますが、当面の解決策としては、政府が直接的な財政援助に動くかどうかです」


さらなる問題がある。


9月初旬にCDCが発令した強制退去の猶予・禁止は家賃の支払いを一時的に棚上げにしたが、それは逆に、過去から積み重なった滞納分を含めて、支払うべき金額が増えることにつながった。


強制退去の対象になっている数百万世帯の多くは低所得者層の人たちであるため、さらに支払いが難しくなる。


トランプ政権が今月中に新たな手立てを示さず、連邦議会も救済策の法案を通過できない場合、バイデン政権が誕生するまで州を含めた地方自治体が負担を背負うことになる可能性が高い。


米国勢調査局が11月初旬にまとめた報告書によると、約1160万人が来月の家賃・住宅ローンの支払いができない状況であるという数字がでている。


最初に示した647万世帯という数字は「最悪の場合」という設定ではあるが、バイデン政権が発足から荊の道を歩まざるを得ないことが明らかである。


米国の住宅事情とコロナ禍による感染状況は悪化の一途を辿ることになりそうだ。

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