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韓国WTO敗訴で日本政府による対抗措置発動か


韓国の日本製空気圧伝送用バルブに対する反ダンピング課税は不当だとするWTOの判断から間もなく1カ月が経過する。韓国が30日以内に勧告の意思表示をしない場合、日本は対抗措置を発動させることが可能になるらしい。今日は10月8日だから、その30日の期限が間もなく切れることになる。

9月11日(ジュネーブ時間では9月10日)、WTO(世界貿易機関)の上級委員会は、韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置について報告書を公表した。これを受けて日本政府は、上級委員会は日本の核となる主張を認め、韓国の措置の是正を勧告したことをHPや会見で報告した。“勝訴”という文言は用いていないが、勝訴を宣言したわけである。

報道資料で示された13の争点は、あくまでも韓国政府による整理であり、その勝敗についても韓国政府の判断であるが、仮にこれが正しいとしても、争点での勝敗数で全体の勝ち負けが決まるわけではない。重要な点は、措置の是正が勧告されたかであり、報道資料ではこの点は触れられていない。

もっとも重要な点は、WTO協定上、アンチダンピング課税が認められるためには、“ダンピングがあること”“損害との因果関係”“損害”“適正な調査手続き”の4つの要件すべてが満たされる必要がある。しかし上級委員会は4つの要件のうち、2点、すなわち“損害との因果関係”“適正な調査手続き”について日本の主張を認めており、措置の是正が勧告された。争点のうち勝った(とする)数が多ければいいわけではなく、4つの要件にかかる争点のすべてで勝つ必要があるわけだ。

現在ボールを持っているのは韓国政府である。措置の是正を勧告された以上、上級委員会から受けた勧告の履行意思を、上級委員会で報告書が採択した日から30日以内に開催されるWTOの紛争解決機関で表明しなければならない。ただしこの場において、勧告に対して不服などの申し立てはできない。

韓国政府が妥当な期間内に勧告を履行しない場合、日本政府は対抗措置を講ずることができる。対抗措置は、原則として紛争分野と同一の分野が優先されるが、これでは十分な効果が得られないときは、その他の分野での措置も可能である。いずれにしても、措置是正の勧告が出た以上、ボールは韓国が持っており、上級委員会の勧告に従うか、あるいは日本からの対抗措置もやむなしと判断するか選択する必要に迫られている。

双方の当事国が勝利を宣言した韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置にかかる紛争について、WTOの紛争解決手続においては日本が勝訴したと考えることが自然である。

ジュネーブ基準で考えると30日以内は10月9日までだ。つまりジュネーブ時間で明日まで、日本時間では明後日の木曜までに勧告の意思を示さない場合日本の対抗措置発動が可能になるというわけだ。
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