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異例の行動、米艦が台湾海峡の中間線越す

米海軍の駆逐艦が10~11日に台湾海峡を通過し、中国大陸と台湾本島の中間線を中国側に越えた海域で航行していたことが11日、分かった。台湾の国防部(国防省に相当)関係者が明らかにした。中間線は中台間の事実上の停戦ラインとして機能しており、米軍が越えるのは極めて異例。中国軍機が中間線を台湾側に越えて飛行した際、米国は“地域の安定を害する”(国務省)と批判していた。今回は米側が中国を強く牽制(けんせい)した形だ。

台湾の国防部は11日、日時を明らかにせず、“米艦1隻が台湾海峡を北から南に航行した”と発表した。関係者によると、米第7艦隊(本拠地・神奈川県横須賀市)所属のイージス駆逐艦“バリー”が10日午後から11日未明に海峡を通過した際、中間線より中国側にあり台湾が実効支配する馬祖列島の近海を航行した。

国防部は米艦の行動について“全行程を掌握していた”としているが、同部の史順文報道官は産経新聞の取材に“米艦が台湾海峡を航行したとしか言えない”と述べるにとどめた。台湾メディアは中国海軍のフリゲート艦がバリーを追跡し、監視活動を行ったことに関しては報じている。

米海軍による台湾海峡通過は、2018年後半からほぼ月1回と定例化しているが、いずれも中間線の台湾側を通過してきた。フランス海軍のフリゲート艦が昨年4月、台湾海峡を通過した際、中国国防省は“中国の領海に違法に侵入した”と強く抗議した。関係者によると、この際も今回同様、仏艦は中間線の中国側を航行していたという。

中間線をめぐっては、中国空軍の戦闘機2機が昨年3月末、台湾側に侵入。台湾の蔡英文総統が“挑発行動の排除”を指示し、米国も“台湾への威圧をやめよ”と警告した。今年2月にも中国の戦闘機が侵入し、米軍は直後に特殊作戦機や戦略爆撃機を台湾周辺で飛行させた。

空母が台湾近海にまで出張ってくる場合、中国は電磁波兵器の使用も辞さないそうだ。

アジア太平洋地域で活動する米海軍空母で新型コロナウイルスの感染が発生し、米軍の即応能力の低下が懸念される中、中国軍による挑発的な動きが続いている。

習近平指導部は“米海軍の展開能力が弱まっている”(共産党系メディア)とみて、台湾や南シナ海の周辺で軍事的緊張をさらに高める可能性がある。

米メディアによると、400人以上の新型コロナ感染が確認されている“セオドア・ルーズベルト”や、横須賀基地(神奈川県横須賀市)を母港とする“ロナルド・レーガン”など計4隻の米軍空母の乗組員から陽性反応が出た。10日付の中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は“ウイルス感染によって米海軍の全世界への展開能力はすでに深刻な打撃を受け、東シナ海、台湾海峡、南シナ海で米軍は対処困難になっている”という軍事専門家の分析を伝えた。

このところ中国軍は米軍の隙を突くような行動を繰り返している。台湾国防部(国防省)によると、中国軍の爆撃機“轟6”、早期警戒管制機“空警500”、戦闘機“殲11”が10日、台湾の南西からバシー海峡を経て西太平洋に出た後、同じルートを引き返した。中国軍機が台湾周辺を飛行するのは今年6回目。3月16日には台湾周辺で初の夜間飛行を行った。

南シナ海でも中国が覇権を拡張しようとする動きが目立つ。軍事拠点化を進める南沙(英語名スプラトリー)諸島に3月、“科学研究”施設を設置。ベトナム外務省は4月3日、中国海警局の船舶が西沙(英語名パラセル)諸島付近でベトナム漁船に追突し沈没させたと発表した。

米軍も南シナ海で“航行の自由作戦”を行い、中国軍をけん制しているが、中国側は強硬な態度だ。環球時報英語版(電子版)は、電磁波によって米軍艦の兵器や制御システムを一時的に使用不能にする“新たなアプローチ”もあり得るという軍事専門家の見解を伝えた。
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