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「ポスト安倍」…菅官房長官がついに大勝負に出た

コロナ禍が拡大、全国的に感染者数が増えているなか、政府による観光支援策の「GoToトラベル事業」を、前倒しで進めるのはリスキーだが、そこに菅義偉官房長官は、あえて踏み出した。

国民の8割近くが「時期尚早」と捉え、外出に積極的になれないなか、利用拡大に多くは望めず、逆にGoTo利用者の感染が地方に及べば、批判されるのは必至。誰もが旗振り役は菅氏と知っているだけに、「ポスト安倍(晋三)」の猟官運動とみなされる恐れがあり、GoToに失敗すれば、「焦り過ぎ」と、嘲笑されよう。

GoToのもうひとりの立役者は、二階俊博自民党幹事長。知る人ぞ知る「観光のドン」。GoToの運営業務を国交省から約1895億円で受託したのはツーリズム産業共同提案体だが、中心となるのは一般社団法人全国旅行業協会であり、会長は二階氏である。

このところ二階、菅の両氏は急接近。8月下旬には、地方創生と防災力強化を目的とした議員連盟を創設。呼びかけ人には、2人のほか65人が名を連ね、半数が二階派だが、9月にも行われる党役員人事や、今後の政局を見据えた動きだという。

「二階と菅は同床異夢。二階の狙いは、カネと権力を握る幹事長ポストを継続すること。9月の人事で、岸田(文雄)政調会長を幹事長に就けたいという安倍の思惑がわかっているだけに、菅を取り込んでおきたい。菅も、二階と組むことで、石破(茂)への浮上をなにより恐れる安倍を牽制できる」(ベテラン政治記者)

「ポスト安倍」レースの行方

「安倍一強」を支えたのは、今井尚哉首相補佐官兼秘書官を中心とする官邸官僚と、右腕の杉田和博官房副長官を使い、霞が関人事と情報網を操る菅氏である。

双方をバランスよく使い、長期政権につなげた安倍首相だが、岸田後継を鮮明にする安倍首相に対し、「情報発信力も胆力もない政治家」と、岸田氏を酷評する菅氏は、「ポスト安倍」に名乗りをあげ、菅グループを形成していった。

今井氏はもちろんその周辺も、所詮は官僚であり、安倍政権が終われば「次はない」が、「岸田なら安倍院政で、それなりのポストが用意される」という計算も成り立つ。

そこで、小中高の全国一斉休校を菅氏に相談しないなど、露骨な「菅外し」を行った。菅氏の方にも、「菅枠」で政権に送り込んだ河井克行前法相と、菅原一秀前経済産業相が相次いで失脚。その背後には、「菅の検察パイプ」といわれた黒川弘務前東京高検検事長が、賭けマージャンで失職するという蹉跌もあり、「菅の(首相の)目はない」という評価が定着しつつあった。

だが、そこは秘書、市議、代議士とのぼりつめた策士である。電通に丸投げした持続化給付金で今井氏ら官邸官僚が下手を打ち、GoToを同じ枠組みのなかでやろうとして仕切り直し。経産省の扱いではなく、各省庁の事業とした。そこに尻拭いの形で入ってきたのが菅氏だった。

国交省を完全にコントロール

菅氏は、国交省を完全にコントロールしている。1カ月以上前、国交省幹部が、筆者にこう告げた。

「次官人事を差配しているのは菅さん。国交省の『たすき掛け人事』を守りながら、自分の意中の人物を次官にしており、次の次まで菅人事だ」

その言葉は、7月21日発令人事で証明された。

01年の中央省庁再編で、建設、運輸、国土、北海道開発庁の4省庁が統合した国交省は、旧建設事務官、同技監、旧運輸事務官の3者が、順序良く1年で事務次官ポストを譲り合っている。

ここ4代は、武藤浩氏(旧運輸)、毛利信二氏(旧建設)、森昌文氏(同技監)、藤田耕三氏(旧運輸・82年)と続いていた。7月21日の人事で、後を継いだのは栗田卓也氏(旧建設・84年)で、その次に、技監の山田邦博氏(84年)を据えるつもりで留任させ、その次に官房長の水嶋智氏(旧運輸・86年)を就けるのが菅氏の考えだという。

「水嶋氏は前鉄道局長で、リニア新幹線では着工を認めない川勝平太静岡県知事と激突した人物。筋を通す官僚で、川勝知事は『許せない! 』と、今も怒っているが、JR東海の葛西(敬之)名誉会長のレガシーであるリニアを完成に導くには、水嶋氏が必要だというのが菅氏の判断」(国交省幹部)

「信念なくパフォーマンスに走る政治家」が大嫌い

ここまで、国交省を押さえている菅氏にとって、GoToの前倒しスタートは造作ない。発着から東京を外すのも同じである。

菅氏は、記者会見での冷静な受け答えから、落ち着いた人柄を想像させるが、実は頑固で好き嫌いが激しい。

嫌いなのは、岸田氏のように「政治家として勝負しない人」であり、もっと嫌いなのは「信念なくパフォーマンスに走る政治家」。その典型が、菅氏が「名前を聞いただけで嫌になる」という小池百合子東京都知事だ。

常に敵を作り、闘う姿勢を見せることで人気を得てきた小池氏。築地移転騒動の時の敵は石原慎太郎元知事や自民党東京都連のボスたちであり、コロナ騒動が始まってからは、「早く緊急事態宣言を!」と、決断しない安倍首相に迫り、ハッパをかけることで評価を高め、都知事選で圧勝した。

「『動くな! 』と、小池さんがいうのなら都民には動かいないでいてもらおう」――。

これが、嫌み半ばの菅氏の本音だろう。

もともと、コロナ対策は必要だが、経済を回していかなければ、困窮による自殺者も含め、日本は大変なことになる、というのが菅氏の考えだ。

もちろん、感染者爆発の米国の例が示すように、経済を回せば感染者は増える。そのリスクは承知しつつ、側近の和泉洋人氏などを通じて、日本の致死率の低さなどのデータも取っており、アクセルとブレーキのバランスには留意しているという。

いずれにせよ、GoToで菅氏が見せたのは、決断する政治家であること。それが「宰相の条件」だとして、臆することなく表面化させた菅氏の野望が叶うかどうかは、それほど遠くない時期に判明しよう。

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