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中国「輸出規制」の衝撃、日本にとっては最悪の展開qw

 中国政府が米国への対抗措置として、輸出規制の実施に乗り出した。トランプ政権は中国に対して貿易戦争を仕掛けており、華為技術(ファーウェイ)など一部メーカーへの禁輸措置を実施している。中国が同様の対抗措置を繰り出すことは十分に予想された事態といってよい。



一連の輸出規制はあくまで米国との交渉材料なので、むやみに発動するとは考えにくいが、米中対立で一方的に被害を受けるのが両国への輸出で経済を回している日本であることは明らかだ。バイデン政権は正常化を試みるだろうが、交渉が難航するのは確実である。米中の分断化は進むと考えた方がよく、日本は近い将来、重大な選択を迫られる可能性が出てきた。


■ 日本にとっては最悪の展開


中国政府は2020年12月1日、安全保障に関わる製品の輸出規制を強化する「輸出管理法」を施行した。同法は主に2つの枠組みで構成されている。1つは品目の指定で、同法で指定された品目については許可制となり中国企業は自由に輸出することができなくなる。もう1つは企業のリスト化で、安全保障上問題があると認定された外国企業に対する輸出が禁止となる。


トランプ政権は、中国に対して貿易戦争を仕掛けており、ファーウェイなど一部メーカーの製品に対して、安全保障上の理由から事実上の禁輸措置を実施している。中国が今回発動した措置は、米国の禁輸措置と同じような内容であり、米国への対抗措置であることは明らかだ。



日本メーカーは中国メーカーから多くの部品や原材料を輸入しており、これらの製品が対象品目になってしまうと、日本メーカーは中国から自由に調達できなくなってしまう。メディアなどで盛んに取り上げられているのは、家電やAV機器、(EV)の生産に欠かせない希少なレアアースである。日本はレアアースの6割を中国に依存しており、仮にこれが対象品目に加わった場合、日本メーカーは大打撃を受ける。


2019年における日本の貿易総額はおよそ155兆円だったが、対中貿易は約33兆円、対北米貿易は約26兆円もあり、米中両国は日本にとって最大の取引先となっている。日本メーカーが中国から部品を輸入し、国内の工場で生産して米国に輸出するケースや、日本メーカーが中国メーカーに部品を輸出し、中国メーカーが最終製品として米国に輸出するケースなど、取引のルートは様々だ。


いずれにせよ、多くの日本メーカーにとって中国と米国は主要取引先であり、米中対立でもっとも大きな影響を受けるのが日本であることは間違いない。トランプ政権が中国に対して貿易戦争を仕掛けた以上、中国が対抗措置を講じてくるのは当然といえば当然の反応である。今回の事態は当初から予想されていたことではあるが、日本にとっては最悪の展開といってよいだろう。



■ 再輸出規制が向く先は米国ではない


特に懸念されるのは、再輸出の問題である。米国が実施している禁輸措置は、第三国を経由した輸出も対象に含まれている。米国はファーウェイへの輸出を自国企業に禁止しているが、「米国企業が一旦、日本に部品などを輸出して、その後、日本企業がファーウェイに最終製品を納入する」というルートも禁止対象になる。つまり、日本メーカーが、米国製部品もしくは米国由来の部品を使用した製品をファーウェイに納入した場合、その日本メーカーは米国との取引ができなくなる。


今回、中国が発動した輸出規制には、これとほぼ同じ仕組みが組み込まれている。つまり、中国から第三国(この場合は日本)を経由しての輸出も対象に加えることができるのだ。


例えば日本メーカーが中国メーカーから原材料を輸入して部品を製造し、米国メーカーに輸出しているとしよう。中国がその米国メーカーを禁輸対象とした場合、中国メーカーは米国メーカーに直接輸出ができなくなるだけでなく、その米国メーカーに輸出している日本メーカーとも取引ができなくなる。日本メーカーにしてみれば、原材料の輸入ができなくなるので、事実上、その事業を停止せざるを得ない。



再輸出の規制というのは、米中という当事者ではなく、むしろ当事者以外で米中と取引のある国に対する圧力として使われる可能性が高い。


例えば、米国が日本と個別の貿易交渉を行う場合、日本はコメなどの農作物については関税撤廃の対象外にしたいと米国に要求するはずである。しかし、米国が再輸出規定を持ち出してパッケージディール(複数の項目をセットで交渉すること)を仕掛けてきた場合、日本側は間違いなく妥協を強いられる。


逆に中国と個別交渉をしている際に、中国側がこの規定を持ち出せば、やはり日本は譲歩を迫られることになるだろう。理屈上は「中国企業との取引を継続したければ、尖閣諸島問題で妥協しろ」といった圧力が可能となってしまうのだ。これまでの政府の対応を見ると、日本企業の業績を犠牲にしてでも、中国には妥協しないという明確な姿勢は感じられない。仮にこうした事態になった場合は、やはり大幅に譲歩してしまうのではないだろうか。



また、米国と中国から同時に似たような圧力が加わった場合、日本はどちらかを選択するよう迫られ、板挟みになってしまう可能性もある。再輸出規定というのは、状況次第では、日本を崖っぷちに追い込む潜在力を持っており、私たちはこの現実について、理解しておく必要があるだろう。


■ 中国が台湾経済界に対して行ってきたこと


もっとも、輸出規制は米中両国にとって、有力な交渉カードのひとつなので、すぐにカードを切ることはないだろう。つまり、中国政府がいきなり多数の品目を輸出規制対象に加える可能性は低いと考えられる。ただし、仮にカードを切らないにしても、実弾を持っていることは、外交上、極めて大きなパワーとなりえる。


日本社会は中国に対して甘く見る傾向が強く、今回の輸出規制についても軽く考えているフシがある。仮に中国政府が重要品目を規制対象にしなかった場合、日本の世論は単純に「日本がなければ中国はやっていけない!」「中国は日本の力に屈した!」などと言って大喜びするだろう。だが、中国が本気でこの法律を交渉に使う気なら、もっと狡猾かつ陰湿に、水面下で事を進めてくるはずだ。



ひとつのケースを想定してみよう。中国政府は、ある製品をどこかの段階でリストに加えるものの、現実には一切、輸出規制は実施しない。安心した日本政府と日本企業はそのまま中国との取引を継続するが、しばらくすると、突然、中国メーカーが十分な数量の製品を輸出しなくなってしまう。


日本側は中国が輸出規制を発動したのかと考え、中国側に問い合わせるが「単に物流の問題であり、国としては制限はかけていない」という木で鼻をくくった解答しか返ってこない。ところが、同じ製品を輸入している別の日本企業は何の問題もなく、従来と同じように製品を輸入できている。なぜ中国側の対応が企業によって違うのか、日本の産業界は疑心暗鬼に陥ることになる。


このようにして、互いの猜疑心を助長し、各企業が中国に媚びてくるよう、水面下で工作することが可能となるのだ。実際、中国は台湾経済界に対して似たようなことを行ってきた。中国は単に軍事力だけで台湾に圧力をかけているのではない。中国に協力的な企業を隠れた形で優遇することで、台湾経済界を分断させ、世論を親中に傾かせるための工作を継続的に実施してきた。



今回、施行された輸出規制というのは、こうした使い方ができるツールであり、日本に対する影響が極めて大きい。日本ではトランプ政権のことを、日本のために中国に圧力をかけてくれる正義の味方と見なす人が大勢いるが、そんなことはあり得ないと思った方がよい。


トランプ氏は米国ファーストを掲げて大統領になった人物である。中国政策もすべては米国の(あるいはトランプ氏自身の)利益のために行っていることであり、日本のことなど何も考えていない。そもそも国際社会において、自国以外に頼れる存在などあるはずもなく、それは最大の同盟国である米国であっても同じ事である。


バイデン政権の誕生で米中対立が緩和されることを予想する向きもあるが、過度な期待は禁物だろう。米中対立はバイデン政権後も継続する可能性が高く、日本は近い将来、どちらを向くのか厳しい選択を迫られるかもしれない。

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