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「新型コロナの国家責任」で中国…具体的な賠償の方法3

 中国はIHRを遵守したのか



世界中に災厄をもたらした新型コロナウイルスの感染拡大。WHO(世界保健機関)がウイルスの起源を調査するため、中国・武漢に派遣した調査団の報告書が3月中に公表される予定だ。


同報告書で感染拡大が中国から始まったことが公表されれば、「中国の国家責任」に注目が集まるだろう。果たして、中国に責任を問うことはできるのか。


WHOのIHR(国際保健規則)では、第6条の「通報」で、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態は24時間以内に、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を構成するおそれのあるすべての事象およびそれら事象に対して実施される一切の保健上の措置を、IHR国家連絡窓口を通じてWHOに通報しなければならない」、と定めている。



さらに、第7条の「予期されないまたは特異な公衆衛生上の事象が発生した場合の情報の共有」では、「原因または発生源にかかわらず、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を構成するおそれのある予期されないまたは特異な公衆衛生上の事象が自国領域内で発生した証拠がある場合には、関連するすべての公衆衛生上の情報をWHOに提供しなければならない」、としている。


中国の責任を問う上で焦点となるのは、中国がこのIHRを遵守したか、否かであろう。そこで、新型コロナに関する中国とWHOの対応を時系列で見ると表のようになる。


こうした中国とWHOの対応に最も敏感に反応したのは、米国のトランプ前大統領だった。



米国政府は2020年5月18日、WHOのテドロス事務局長に「IHRは24時間以内に公衆衛生上の緊急事態の報告を義務付けている。だが、中国はおそらく数日、数週間前に事態を知っていたであろうが、2019年12月31日まで武漢市での原因不明の肺炎のクラスターを報告しなかった」と中国の対応を非難する書簡を送った。


さらに、5月29日にはトランプ前大統領が、「中国政府が国内旅行の制限措置を実施した半面、海外旅行を制限しなかった」ことに対して、「これにより引き起こされた死や破壊は数えきれないほどのものだ」と中国を強く批判した。


具体的な賠償の方法



その上で、トランプ前大統領は米国のWHOからの脱退に言及した。


これには、テドロス事務局長が中国の国内旅行の制限措置を評価する一方で、米国による中国からの旅行者の入国制限措置を批判したという伏線があった。


この一連のトランプ前大統領と米国政府の中国政府への批判により、米国ではミズーリ州など多数の州で中国に対する新型コロナによる損害賠償請求の動きが強まり、この動きはイギリスやイタリア、ドイツなどへ“飛び火”した。


では、こうした損害賠償請求により、中国の国家責任を追及できるのか。IHRには公衆衛生上で発生した損害に対する責任規定はない。もし、中国の国家責任を問うとなれば、国家責任法において問われることとなる。


国家責任法では、第31条「賠償」で「責任ある国家は、国際違法行為により生じた損害の完全な賠償義務を負う。損害には、国際違法行為により生じたいかなる損害(物理的・倫理的を問わず)も含まれる」と規定されている。



そして、賠償の方法として、第34条「賠償の形式」で、「国際違法行為から生じる損害の完全なる賠償は、原状回復、金銭賠償、陳謝の形式(単独又は複数)がとられる」とする。


まずは、原状回復、それが難しければ、金銭賠償、そして陳謝の順となる。


新型コロナによる損失を原状回復することは不可能だろう。従って、自ずと中国に対して金銭賠償を求めることになるが、そこには大きなハードルがある。


実際のところ…


まずは、中国のIHRにおける義務違反を立証しなければならない。その上で、賠償金額を算定するためには、中国のIHR義務違反と自国における損害の因果関係を立証しなければならない。


自国の損害が直接的に中国のIHR義務違反によって発生したものなのか、自国の新型コロナ対策は適切であり不備はなかったのかを検証した上で、それでも損害は中国のIHR義務違反によって発生したものだと立証するのは、ほぼ不可能だろう。


従って、結論から言えば、「中国による金銭賠償は不可能で、せいぜい中国から『陳謝』を引き出せれば“上々”」ということだ。


そもそも、IHRでも責任を規定していないように、予期されないまたは特異な公衆衛生上の事象には、損害賠償という考え方はそぐわないものなのだろう。


それでも、WHOの新型コロナウイルスの起源調査団の報告書をきっかけに、自らの責任問題を回避する狙いもあり、各国政府からは中国の国家責任を問う声が高まるのではないだろうか。

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