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男子100メートル日本勢全3選手、予選でまさか17年ぶり全滅…なぜ期待の“最速トリオ”は惨敗したのか

 日本記録保持者の山県亮太、小池祐貴、多田修平はいずれも各組3着以内に入れず、それ以外のタイム上位3人にも食い込めず3人とも予選敗退が決まった。



リオ五輪後の5年で4人の9秒台選手を輩出。充実期を迎えたかと思われた日本男子短距離陣に厳しい現実が突きつけられた。6月の日本選手権を制した多田は、得意のロケットスタートが不発に終わり、中盤以降も伸びきれず、10秒22で1組6着。小池は中盤以降追い込んできたが、10秒22で4組4着。自動通過の3位に0秒01及ばなかった。多田が「ちょっと自分のレースが全くできなかったので、非常に悔しいです」と天を仰げば、小池は「残念。その一言に尽きます。戦える状態だと思っていたが、結果的にスピードが出ていない。感覚の勘違いがあったのか」と首をかしげた。


無観客の新国立競技場には“魔物”が潜んでいるのかもしれない。期待が高ければ高いほど、そこに届かなかったときの失望感は大きくなる。31日に行われた東京五輪の男子100m予選を観て、ガッカリした人は多かったことだろう。



予選は全7組あって各組3着までとタイム順で3人が準決勝に進むことができる。2016年リオ五輪では3人中2人が、2019年のドーハ世界選手権は3人全員が予選を突破。日本人スプリンターにとってはさほど難しくない“関門”のはずだった。


1組には今年の日本選手権王者・多田修平(住友電工)が先陣を切るかたちで登場した。今季は自己ベストを10秒01まで短縮するなど絶好調。しかし、持ち味のスタートダッシュが不発に終わり、10秒22(+0.2)の6着に沈んだ。


「自分のレースがまったくできなかったので、非常に悔しいです。隣の選手にスタートで前に出られて、力んだ走りになってしまいました。そこがもったいなかったですね」



9秒85の自己ベストを持つベイカー(米国)が隣のレーンにいたのは不運だったが、大激戦の日本選手権を制したときの“勢い”は感じられなかった。


9秒98の自己ベストを持つ小池祐貴(住友電工)は4組で4着。タイムは多田と同じ10秒22(±0)だった。3着の選手に0.01秒届かず、予選を通過することができなかった。


小池はシーズンベストが10秒13。今季はあまり調子が上がっていなかっただけに、「結構プレッシャーがかかるなかでしたけど、いまできる準備はしてきたので、これが実力かなと思います」と冷静に結果を受け止めていた。状態を考えれば、順当といえるかもしれない。



多田と小池はオリンピック初出場だが、山縣亮太(セイコー)は3回目。過去2大会(ロンドン、リオ)では予選を通過しただけでなく、大舞台で自己ベストも更新している。今年6月に樹立した日本記録の9秒95は、男子100m出場選手の今季ベストで6位タイ。日本人として89年ぶりのファイナル進出も十分に狙える位置にいた。


3組に出場した山縣は自己ベストで並ぶジェイコブス(イタリア)とトップ争いを演じるかと思われたが、予想外の結果が待っていた。


序盤はまずまず良かったように見えたものの、中盤以降はスピードに乗り切ることができない。ジェイコブスが9秒94(+0.1)でトップを悠々とトップを飾ったが、山縣は10秒15の4着に終わったのだ。



テレビカメラの前に姿を現した山縣は、「すごく緊張しました」とまずは素直な感想を口にした。その後は、「まだまだ納得いっていない部分があります。スタートからいい流れを作れれば、自分のレースになると思うので、次があればそこを修正したいです」と話していた。


準決勝に進出したらどんなレースをしたいのかという質問には、「いつも準決勝が壁なので自己ベストを狙える走りをして、また次(決勝)につながればいいなと思います」と答えていたが、その機会はめぐってこなかった。


タイム通過の3人は10秒05、10秒10、10秒12。山縣は0.03秒届かず、まさかの予選敗退となったのだ。



キャリア十分で大舞台に強いはずの山縣だが、日本選手団の主将を務めた地元開催の五輪は想像以上の重圧があったのではないだろうか。


「五輪は特別なレースですけど、初めてではありません。大きい試合の前は自分のやりたいレースを決めてスタートラインに立つのが自分のルールで、それはできました。そういう意味で心理的な要因があったとはあまり考えていないですね」


山縣は今回も「納得いく調整をしてきたつもりだった」と言うが、予選の走りは納得いくものではなかったという。



「何かが違う」という疑問を感じていたようだ。


「準決勝、決勝を見据えて10秒0台はほしいなかで、そういうレースができなくて残念でした。スタートはもう少し楽に飛び出したかった。それも含めて調整の問題だったかなと思います」


男子100mは日本選手権を勝ち抜くのが熾烈だっただけに、代表権を獲得して、気持ちのうえで安堵してしまった部分はあっただろう。そして無観客開催となったことも日本勢にとってはマイナスに作用した。



サッカーはアウェーチームよりもホームチームの方が圧倒的に有利だ。陸上も似たような部分がある。2017年ロンドン世界選手権では7万人もの大観衆がスタジアムを埋め尽くすと、地元・英国の選手が大活躍した。選手紹介では大きな拍手が起こり、スタジアムは熱気に満ちていた。非日常的な空間が特に自国のアスリートたちの力を引き出していたように思う。


観客のいないスタジアムでは地元開催のメリットは少なく、ただ重圧だけが課せられたかたちになった。


そして今回は予選通過ラインが過去の世界大会と比べて高かった。直近の世界大会となる2019年ドーハ世界選手権は予選のプラス通過ラインが10秒23だった。条件が異なるとはいえ、山縣の10秒15なら通過は確実で、多田と小池の10秒22でも十分に通過を狙えるはずだったのだ。



山縣は、「カットラインが高いのは予想外でしたけど、10秒0台を出せば問題なく通れた。そういう意味でも悔いが残ります。飛び出しがうまくいかずに、自分のレースができませんでした」


全世界がコロナ禍となり、2020年以降はどの国もレースが思うようにできていない。そのなかで日本は比較的恵まれた立場にあり、今季は山縣と多田が自己ベストを大きく伸ばした。海外勢はタイムを出す機会があまりなかっただけで、東京五輪に向けてしっかりとトレーニングを積んでいた。


ドーハ世界選手権からの2年間でスパイクも進化した。日本勢は世界のレベルを見誤っていたのかもしれない。ファイナル進出のために、準決勝で勝負する意識が高すぎて、予選を戦う心構えが不足していたことも考えられる。



男子100mは日本勢の“惨敗”と言っていいだろう。しかし、彼らには国民が大きな期待を寄せる男子4×100mリレーが残っている。100m予選の走りでは、出場した3選手全員が予選を通過した米国と英国に完敗したが、まだまだ立て直す時間はある。


山縣も4×100mリレーに向けて、「リレーはスターティングブロックから出る100m走とは違います。今回のレースを反省して、リレー独自のイメージトレーニングをすり合わせてしっかり準備していきたい」と新たな目標をキッパリと口にした。


惨敗からの大逆襲へ。日本4継チームの金メダル・チャレンジに期待したい。

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