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アフガン派遣の自衛隊機、タリバンに撃墜される可能性はあるか?自衛隊機を狙う対空兵器s

 アフガニスタンの混乱は収束せず、今もなお残されている邦人を救出するため、日本政府は自衛隊を派遣する見込みです。



防衛省は、「C-2」と「C-130」型輸送機の派遣を行うようですが、自衛隊機が攻撃される可能性も指摘されています。米CBSは、ミサイル回避手段であるフレアを焚きながら離陸するフランスの「A400」型輸送機の姿を報じていました。


以下では、アフガニスタン派遣に際して考えられる危険性や自衛隊の能力について考察してみたいと思います。


タリバンは、もともと高度な対空兵器を保有していません。保有が伝えられていたのは、「MANPADS」(Man-portable air-defense systems)と呼ばれる、1人で携行できる携帯式地対空ミサイル(SAM)です。



米軍がまるで敗走するように撤退したため、現地に米軍の兵器が放棄されている可能性はあるものの、タリバンが高度なものを使いこなせる可能性は低いでしょう。


その上、タリバンは、各国による救出活動を認めています。そのため、高度な対空兵器を手に入れていたとしても、これが使用される可能性は低いでしょう。攻撃してくるのは、統制に従わないタリバン内でも過激な一部です。


消去法で、自衛隊機を狙う対空兵器は、携帯式SAMか機関銃などの銃器だけということになります。



現在のカブール空港の状況は、2004年から始められたイラク派遣におけるバグダッド国際空港などの状況にそっくりです。当時の対空脅威も携帯式SAMと銃であり、空港の近くに射手が潜んでいる可能性が高い状況でした。


イラク派遣が検討され始めた時、私も自衛官として対策の検討に関わっていました。この時は、C-130型機を急遽改造し防護力を高めるなどした他、硫黄島などを使い、ミサイルが使用された場合の回避行動など、特殊な機動を訓練して派遣が行われました。



空港直上まで高高度を飛行し、らせん状に旋回降下するスパイラルランディングと呼ばれる機動などを訓練しました。また、携帯式SAMは、発射される前に攻撃を察知することが不可能なため、スモーキーSAMと呼ばれる巨大なロケット花火のような模擬携帯式SAMを使用し、発射されたミサイルをクルー総出で監視、回避する訓練などが行われました。さらに、派遣期間は丸5年にも及んだため、途中で戦訓を取り入れ、回避機動などもアップデートしています。


イラク派遣が終了して10年以上経過していますが、そのノウハウは受け継がれているでしょうし、訓練も行われています。空自は、それなりの対応能力を備えているのです。


ただし、自衛隊機は、こうした状況で使用するための防御装備が十分とは言えません。何よりの理由は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で、イラク派遣が終了したことによって、そうした努力に予算が回されなかったためです。



銃撃に備える防弾装備も、当時使用されたC-130型機のみに留まるようです。イラク派遣の開始と同時に、携帯式SAMを回避するための光波自己防御システムの研究も行われ、有効なものが作られたはずですが、装備化には至っていません。


しかしながら、ほとんどの携帯式SAMに対しては、古くからあるフレアによる妨害が今でも有効です。しかも、応急的な使用方法としては、ドアを開けたまま飛行し、乗員が手動で作動させても効果は大差ありません。戦闘機用の装備をそのまま追加装備として持っていっても使えます。


使用される恐れのある対空兵器は、携帯式SAM、もしくは機関銃などだけですから、高度をとって飛行している間は安全です。つまり、危険なのは離着陸時のみということになります。


そのため、現在カブール周辺を飛行している航空機は、カブール空港に着陸する際に、急旋回やエアブレーキ、逆噴射といった装置を利用して急降下し、一気に着陸しているようです。


離陸時は、フルパワーで一気に高度を取りながら離陸することになります。離陸前に準備を悟られないようにすることも重要です。フランス軍機が行ったように、ミサイルを撃たれているわけではなくとも予防的にフレアを放出することで、ミサイルを撃つこと自体を断念させることも重要です。


C-130では、日本からカブールに直行することはできません。東南アジア等を経由しないと航続距離が足りないのです。


また、アメリカは避難民を一時的に在日米軍基地で受け入れることを検討しているようです。C-2ならば、カブールから嘉手納や横田までダイレクトに輸送できます。


これを考えれば、C-2の方が望ましいでしょう。初めての本格的活躍となるため、関係者の一部にも、C-2の投入を望んでいる人が多いようです。


しかし、懸念もあります。C-130、というよりC-130のパイロットは国外運行の経験が豊富ですが、C-2のパイロットは必ずしもそうではありません。C-130から転換した人もいるかもしれませんが、大多数はC-1からの転換のはずで、経験が足りません。C-2での国外運行訓練ですら、ニュースになるほどです。


そして、それ以上に最大の懸念は、故障あるいはミサイル攻撃等でカブールにおいて修理が必要になった場合、国産のC-2では米軍の支援を受けることを期待できず、最悪の場合、カブールで放棄しなければならなくなる可能性もあるということです。一方のC-130は、世界中で使われている航空機です。こうした点では安心です。


筆者個人としては、C-2を使う場合は、カブールには直接飛ばさず、ディエゴガルシア(インド洋にある環礁。アメリカ軍とイギリス軍の基地がある)と在日米軍基地間など、幹線空輸用に使用することが望ましいと思っています。


もし自衛隊機が携帯式SAMで攻撃され、フレアなどでミサイルを回避できなかった場合、大変な悲劇になることを懸念している方がいると思います。


戦闘機と違い大型の輸送機は、機動するといってもそれほど派手な機動はできません。懸念は、もっともかもしれません。


しかし、大丈夫です。携帯式SAMでは、よほど運が悪くなければ、ミサイルが命中しても大型機が墜落することはありません。


イラク派遣の直前には、かなりの輸送機が、バグダッド国際空港の周辺で携帯式SAMによる攻撃を受け、一部にはミサイルが命中しています。


軍の輸送機についてはニュースになっていませんが、国際宅配便の独DHLの航空機が被弾し緊急着陸したことは報じられています。この時は、運悪く主翼内の燃料が燃えたため、かなりのダメージとなりましたが、人的被害はありませんでした。


携帯式SAMは、多くのものが赤外線誘導で、熱源であるエンジンに命中します。当然、そのエンジンは故障しますが、携帯式SAMの弾頭は手榴弾程度の破壊力しかないので、早い話、命中したエンジンしか壊せないのです。むしろ、エンジンから飛び散ったブレードの方が怖いくらいです。


そして、旅客機でも同じですが、大型機は、エンジン1基が故障しても、飛行を続けられるように作られています。また、当然ながら軍用機は民間機よりも頑丈です。


C-130にせよ、C-2にせよ、たとえ攻撃を受けても、DHL機のようにカブールに緊急着陸しなければならなくなる可能性はありますが、撃墜される可能性はきわめて低いと言えるでしょう。

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