台湾で23日、自主開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。このワクチンをめぐっては、認可手続きが簡略化されたとして批判も集まっている。
保健当局は7月、臨床試験がまだ終わっていないにもかかわらず、医薬品メーカー「メディジェン(高端疫苗生物製剤)」が開発したワクチンの緊急使用を承認した。
台湾では供給の遅れや市民の忌避感情から、ワクチン接種事業が滞っている。
蔡英文総統はこの日、メディジェンのワクチンを接種し、市民にも接種を呼びかけた。
台湾では米モデルナ製と英アストラゼネカ製のワクチンが承認されているが、蔡総統はメディジェン製が完成するまで接種を待っていた。
蔡総統の接種の様子はフェイスブックで配信された。不安かと聞かれた総統は「いいえ」と答えた。
同ワクチンは28日の間隔を空けて2回の接種が必要。これまでに70万人が接種を予約している。
メディジェンのワクチンは緊急使用が許可された際、臨床試験の第3相が終了していなかった。
これについてメディジェンは、大きな安全性への懸念はなく、生成される抗体も英アストラゼネカ・オックスフォード製ワクチンと「遜色ない」ものだと説明していた。
今年後半にはパラグアイでの治験の最終段階が完了する予定だ。
メディジェン製ワクチンは、米ノヴァヴァックス製と同じ組み換えたんぱく質ワクチン。
ノヴァヴァックスのワクチンは、免疫系を刺激するため、ウイルスのスパイクたんぱく質の一部を再生成するという、より伝統的な手法で作られている。
陳燦堅最高経営責任者(CEO)はロイター通信の取材で、「我々は多くの実験を行い、誰もがこのワクチンの安全性を確認している。副反応は少なく、熱もほとんど出ない。皆さんに保証できると思う」と話した。
しかし、このワクチンには批判も集まっており、接種事業の先行きは不透明だ。最大野党・中国国民党は、このワクチンは安全ではなく、流通が急がれたと非難している。
同党の著名議員2人は、試験結果不足を理由に、緊急使用の認可を取り消すよう裁判所に要請。うち1人は、台湾市民を「研究所のマウス」のように扱う必要はないと訴えた。
台湾では現在、1日10人程度の新規感染が報告されている。COVID-19抑制に成功した国のひとつとされている。
しかし5月に起きたアウトブレイク以降、感染力の高いデルタ株の侵入が懸念されている。
人口2350万人に対し、政府は500万回分のワクチンを発注している一方、ワクチン接種を強制することはないとしている。
これまでにワクチンを1回接種した市民は約40%で、接種が完了した市民は5%に満たない。
「日本も自前のワクチン生産する必要がある」と言うと何故か反対する連中がいる不思議。
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