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和歌山市で水管橋崩落、約13万8千人が断水に見舞われた!市長点検不備認める

 和歌山市の紀の川に架かる「六十谷(むそた)水管橋」で3日に起きた崩落事故で、市の定期点検などでは、橋の水道管部分をつり下げる「つり材」の破断を見抜ける体制になっていなかったことが8日、市への取材などでわかった。尾花正啓市長も点検の不備を認めている。崩落した橋は、川の南側の浄水場から北側の市域に水を供給する唯一のルートだが、過去には北側にあった浄水場を効率化などを理由に休止した経緯もあり、専門家は「危機管理が甘い」と市の対応のまずさを指摘する。



崩落した橋は、市が月1回、定期検査をしていた。ただ水道管の漏水の有無を調べるのが主目的で、担当者が約40メートル上流の別の橋から目視で確認する程度で、双眼鏡なども使っていなかった。今年5月には水管橋の通路上を歩いて点検したが、今回確認されたつり材4本の破断箇所は通路から高さ約3・5メートルの位置にあり、見逃していたという。


尾花市長は今月6日の会見で「つり材などの上部は死角になっていて腐食などは確認できなかった。市民に多大なご迷惑をおかけして申し訳ない」と謝罪した。


崩落した橋には7個のアーチがあり、今回は中央のアーチ約60メートル部分が崩れた。市が6日、小型無人機「ドローン」で現地調査した結果、崩落したアーチより1個北側のアーチで、つり材18本中4本に「異常な腐食による破断」(尾花市長)を確認した。



破断箇所付近では、鳥の糞(ふん)とみられる白い跡も多数確認。市は崩落の複合的な要因として、鳥の糞が橋の鋼材の腐食を加速させた可能性にも言及。調査に同行した国土交通省などの専門家も、つり材付近に鳥がとまり、糞もたまりやすい構造的な課題を指摘した。


今回、和歌山市全体の約4割にあたる約6万世帯約13万8千人が断水に見舞われた川の北側には過去に、約3千世帯約8千人に供給できる「島橋浄水場」があった。しかし昭和48年、川の南側に基幹となる「加納浄水場」が完成。島橋浄水場は水道事業の効率化などを理由に平成19年、休止された。市幹部は「浄水場を残していれば、大規模な断水は避けられた」と悔やむ。


市も、北側への水供給ルートが1本では不安と認識はしていた。21年の市の水道事業計画では、大規模災害に備えて新たな送水管の増設なども検討するとしていた。しかし、実現しないまま今回の崩落を招いた。



市幹部は「老朽化した水道管の交換など目先の対応を優先し、膨大な予算がかかる複線化などは先送りしてきた」と明かす。尾花市長も「送水管が1つというのは当然無理があった。今後は複線化の必要がある」と話した。


近畿大学経営学部の浦上拓也教授(公益事業論)は「地震や風水害のリスクも想定されるのに、唯一の水管橋で水をまかなっていたのは危機管理が甘かった」と市の対応を批判。「他の自治体も老朽化した重要な施設は再点検・更新し、費用負担を十分住民に説明し理解を求める努力も必要」と指摘する。


仮設の水道管を通す応急工事が完了し、9日から給水を再開すると発表した。段階的に断水が解消される見通し。



水管橋はアーチ橋と水道管が一体となった構造で、3日午後3時45分ごろ、中央部分の約60メートルが水道管ごと崩落した。工事は6日朝から3日間、24時間態勢で行われ、1日あたり約100人の作業員が動員された。東側約40メートルに並行する県道の六十谷橋を通行止めにして、車道上などに計110本の水道管をつなぎ、延長約630メートルの迂回(うかい)ルートを開通させた。仮設の管は直径70センチと従来の管より細いが、市は「生活には支障はない」としている。


順次、水が出始めるが、市は水質検査が終わるまで飲料としての利用を控えるとともに、早く全域に供給するため節水を呼び掛けている。市は「これほどの大規模な断水は全国的にも例がなく、慎重に取り組みたい」とし、住民らに協力を求めている。



一方、六十谷橋の通行再開は、崩落した水管橋の本格復旧後の予定だが、時期のめどは立っていない。また、断水で生じた被害に対する補償について市は「調査を踏まえ、今後検討する」としている。

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